阿倍野区の不動産なら売却も購入もエステート・マガジン

トップ> 不動産は急いで買うな!> 資金計画編5 mailes-maga@grace.ocn.ne.jp
不動産は急いで買うな!「資金計画編」パート5。


不動産購入って何から始めればいいのでしょう?
私は断言できます。
不動産購入は資金計画から始めるべきです。

ところが…。
不動産を買う人を見ていると、物件が決まってから資金計画を立てる人が多いのです。
大体、こんな感じ。
@チラシに良さそうな住宅が出ている。
A月々の支払い例を見ると、今の家賃より安い。
B不動産業者に連絡して実物を見る。
C実際に見ても、悪くない。
D資金計画の説明を聞く。
E予想していたよりも高くて驚くが、ローンだと手が届かないというわけじゃない。
F営業マンに押し切られ、思い切って買ってしまう。

こういう買い方が悪いとは言いません。
そんな買い方でも、幸せになった方はたくさんいますから。
どうせ、どこかで思い切らないといけないのです。
だけど、最初に大まかなプランを立てておけば安心ですよね。

「今の家賃が10万円だから、月々の支払いも10万円くらいに抑えたいよなあ。
ということはマンションだったら○○円くらい。住宅なら○○円くらいか…。」

こんな風に大まかな予算を決めるだけで十分です。
私は、お客様から相談を頂くと、大まかな予算を決めるところから始めています。
当たり前のことだと思うのですが、後回しにすることが多いようです。

最後は頭金の話…。
今から私が書くことには、異論・反論があると思います。
ただ14年間、不動産仲介業をしてきた者として偽らざる本音です。

「不動産の買い方」といった本や、他社のホームページを見ていると
『不動産購入には頭金を物件価格の20%くらいは用意した方が良い』
などと書かれています。

実を言いますと…。
この無難な考えに、私は疑問を感じてしまうのです。
頭金を20%貯めようとすると何年かかるの?
と…。

もちろん頭金が多いにこしたことはありません。
できれば用意した方がいいでしょう。
できれば…ね。

では、頭金が20%なければ買わないほうがいいのでしょうか?
正直に書きます…。
今まで、私から不動産を買ってくれた人の中で、頭金を物件価格の20%用意した人なんて5人に1人もいないと思います。

もっと正直に書きましょう。
自己資金が10万円の人に買って貰うこともあります。
足りない分は諸費用ローンで借りるのです。
自己資金が少ない人に不動産購入を薦める私は悪徳不動産業者なのでしょうか?

こんなケースを想像してみて下さい。
子供が2人いる4人家族。
世帯全体の年収は420万円(税込み)。
現在の家賃は車庫代を含めると13万円。
間取りは55uの2LDK。
子供が大きくなってきて、ちょっと狭く感じてきた。
貯金はできるだけ使いたくない。


こういう方が相談しに来られたら、私は迷わず不動産購入を勧めます。
「自己資金を500万円ほど貯めてから探した方がいいですよ」
などと間違っても言いません。
今よりも広い家に、今よりも安い負担で住むことができる可能性が高いからです。

例えば…。
エスマガの営業エリアである大阪市阿倍野区。
根気よく探せば、程度の良い66u3LDKのマンションが1,600万円〜2,000万円で見つかります。
車庫つきの一戸建てなら2400万円〜3,000万円くらいでしょうか。

《1,800万円のマンション+諸費用130万円》
変動金利 1,800万円 1.475%(外枠方式)  35年 月々54,893円
変動金利  130万円 4.475%(諸費用ローン)35年 月々 6,132円
                         合計 61,025円 

管理費が18,000円、それに車庫代が20,000円と仮定しましょう。
更に、固定資産税の負担が8,000円(年間で96,000円)。
      管理費 18,000円
      駐車場 20,000円
      税 金  8,000円
      ローン 61,025円
     合 計107,025円

《2,600万円の一戸建て+諸費用200万円》
変動金利 2,600万円 1.475%(外枠方式)  35年 月々79,290円
変動金利  200万円 4.475%(諸費用ローン)35年 月々 9,434円
                         合計 88,724円
一戸建ては管理費や駐車場代が必要ありません。
固定資産税の負担が10,000円(年間で120,000円)。
      税 金 10,000円
      ローン 88,724円
     合 計 98,724円 
自己資金を使わないで、今より広い家が、今より安い支払いで所有できるわけです。
少し自己資金を出せば、もっと安い支払いにもできます。

そのために必要なことは…。
@資金計画をちゃんと立てること。
A情報を収集し根気よく物件を探すこと。
B自分にピッタリの物件が出るまで待つこと。

だと私は思います。

いや、これは将来のリスクを考えない無謀な行為だ、という人がいるかもしれません。
本当にそうでしょうか?
そういう人は、一般の人達が420万円の収入から、どういう気持ちで毎月13万円の家賃を支払っているか、を考えたことがないだけではないでしょうか。
また、家賃がどれだけ高いかも…。

とにかく不動産業界は…。
極端に危うい道を薦めるアドバイスか、極端に安全な道を薦めるアドバイスか。
どちらかに偏っているように感じられます。

住宅ローンを組むことがリスクなのではありません。
資金計画も立てずに思いつきで不動産を購入することがリスクなのです。


私が最も恐れるのは…。
上に書いたような家族が、高い家賃に嫌気がさしているちょうどその時。
たまたま手に取ったチラシに吸い込まれるように現場を見学する。
ピカピカの新築一戸建て4,500万円。設備は最新式。間取りは4LDK。

「低金利時代ですし、弊社提携住宅ローンなら50年払いですので、今の家賃と変わりありませんよ。
ご主人さまがお酒とタバコをやめれば生活がグッと楽になります」
と営業マンが簡単に言う。
タバコを止めて欲しいと思っていた奥様も旦那さんにけしかける。
ご主人さまは「ローンが通ればタバコを止めて家でも買うか」とその気になる。
私は、こういう光景を恐れます。

この家族は幸せになる可能性50%、反対に不幸になる可能性も50%のような気がするのです。
適切なアドバイスができる不動産屋が、身近にいなかったことが原因の一つだと思うのです。

お客様が探されている地域で、適切なアドバイスをしてくれる不動産屋を探してみて下さい。


金利編 相場編 資金計画編 セールストーク編
copy-right(c)estate-magazine2010