阿倍野区の不動産なら売却も購入もエステート・マガジン
| ||
不動産は急いで買うな!「金利編」パート4。
固定金利か、変動金利か…。 なかなか難しい問題ですよね。 大事なのは「得なのはどれか?」ではありません。 先のことは分かりませんから。 大事なのは「自分の目的に合っているのはどれか?」です。 詳しい説明をする前に、少しだけ一般論を…。 公務員さんは固定金利を選ぶ方の割合が多いです。 これには合理的な理由があります。 この合理的な理由を理解することが、金利を選択する際のヒントになります。 ただし、あくまでもヒントです。 答えは自分で見つけなければなりません。 では、始めましょう。 現在(平成23年3月時点)、変動金利もしくは短期固定金利を選択すれば金利優遇が受けられます。 今から住宅ローンを組む方にとって金利優遇は重要な仕組みです。 《三井住友銀行住宅ローンの場合》(平成23年3月現在) 変動金利35年 1.275%(2.475-1.2=1.275) 固定金利35年 3.13% 2000万円を借りた場合…。 変動金利 1.275% 35年 月々の支払いは ¥59,057円 固定金利 3.130% 35年 月々の支払いは ¥78,428円 ずっと低金利のままなら変動金利の方が得ということになります。 しかし、金利が上昇し、固定金利の利率を越えることがあれば、固定金利の方が得です。 つまり…。
低金利が続くと予想する人→変動金利 金利が上がると予想する人→固定金利 まず、ここまでをご理解下さい。 次は…。 どのくらい金利が上がれば、固定金利が得になるのか? 0.1%上がっただけでは、まだ、変動金利が有利ですね。 では、0.5%上昇した場合は? また1.0%上昇した場合はどうでしょう? 3.130−1.275=1.855% つまり、変動金利が1.855%上昇すると固定金利と同じ利率になります。 注意して欲しいのは金利優遇の存在です。金利優遇とは金利の値引きのこと。 あくまでも現在の変動金利は2.475%ですから、 2.475%+1.855%=4.33% つまり…。 現在2.475%の変動金利が4.33%になって、初めて固定金利と同じ利率になります。 いかがでしょう? 想像していたよりも、変動金利が固定金利に追いつくのは大変そうじゃないですか? もちろん先のことは分かりません。 アッという間に抜かしてしまう可能性だってあります。 ただ、皆様がイメージしていたよりも差が大きかったのではないでしょうか? 念のために言っておきます。 私は変動金利を薦めているわけではありません。 何度も言いますが、先のことは分からないのですから。 わざわざ私がこんなことを強調するのには理由があります。 3年ほど前に「金利が上昇する」と騒がれたことを覚えていませんか? ずっと2.375%だった住宅ローン金利が2.875%まで上昇した時のことです。 結局、リーマン・ショックが起きましたので、金利が上昇することはありませんでしたが…。 あの頃、たくさんのお客様から 「金利が上がるから不動産購入を急いだ方がいいですよね」 と相談されました。 私は、ここに書いたことを説明したうえで 「固定金利を選択するつもりなら急いだ方がいいかもしれませんが、変動金利を選択するのなら 急ぐ必要はありません。それよりも気に入った物件を見つけることが大事です。」 と答えました。 更に、先ほどのグラフを使い、 「テレビや週刊誌・新聞などではアッという間に固定金利の方が有利になるような報道が されていますが、変動金利と固定金利には、まだ、これだけの差があります。 変動金利が5%(当時は変動金利が2.875%でしたから)まで上昇するのに、どのくらいの 時間がかかると思います?」 と説明したのです。 その時の反応が忘れられません。 相談してくれた全ての方が驚かれました。 一人残らず全員がビックリしていました。 「今の日本経済の状況を考えれば、オレが生きている間に住宅ローン金利が5%を 超えるとは思われへん。別にあせる必要ないやん。 何であんなに騒いでんねん?大体、固定金利を選ぶ人おるんか?」 と言った人もいるほどです。 その直後にリーマン・ショックが起きましたので、ますます感謝されました。 しかし、それは偶然です。 私はリーマン・ショックを予想したわけではありません。 お客様の資金計画と住宅ローン金利の仕組から考えて、 「変動金利ならあせる必要はない」と判断しただけです。 「住む家を買うのに大事なのは、予算の範囲で気に入った家を探すこと」であり、 「金利が安いうちに不動産を購入すること」ではありませんから。 《念のための補足》 変動金利を選択する予定の人にとって、最も怖いのは、金利優遇がなくなることだと思います (※現在の金利優遇は、借りている間ずっと受けることができます。ご安心下さい)。 そういったことが起きるかどうかは分かりませんけどね。 景気がよくなっても、金利は徐々に上昇することになるでしょう。 少なくとも、金利が一気に1.2%アップするとは考えにくい。 しかし、景気が良くなれば、金利優遇は一気に廃止される可能性がないとは言えません。 もともと金利優遇なんて無かったのですから。 もし各金融機関が足並みをそろえて、金利優遇を廃止、なんてことになったら大変です。 金利が一気に1.2%上昇するのと同じですからね。 そんな乱暴なことを銀行がするとは思いませんが、このタイミングだけは気にかけた方がいいと 私は思っています。 今のところ、そんな心配をする必要はなく、まだまだ先のことになりそうですが…。 そして、そんな心配が現実のものとなった頃になって、急いで不動産を探し始めても遅い、 ということを分かって欲しいのです。 そろそろ疲れてきたのではないでしょうか。 長くなりましたね。 パート5へ。 公務員さんが固定金利を選ぶ理由です。 金利編パート1へもどる。 金利編パート2へもどる。 金利編パート3へもどる。 | ||
copy-right(c)estate-magazine2011 |