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不動産は急いで買うな!「金利編」パート5。
公務員さんは固定金利を選ぶ人が多く、その理由も合理的だと言いましたよね。 ここに金利選択のヒントがあります。 その説明に入りましょう。 まずは、一般論を…。
景気が良くなる → 金利が上がる 景気が悪くなる → 金利が下がる と同時に…。
景気が良くなる → 収入が増える 景気が悪くなる → 収入が減る 一般的には…。 景気が良くなれば収入は増え、景気が悪くなれば収入は減りますよね? しかし…。 この法則に当てはまらない人達もいます。 もう分かりましたか? そうです。 公務員さんです。 公務員さんは…。 景気が悪くなっても収入が減らない代わりに、景気が良くなったからといって収入も増えないのです。 更に、10年後、20年後、30年後の年収が予想しやすい。 景気が良くなって金利が高くなったとしても、収入アップが見込めるわけではない。 景気が悪くなって金利が低くなったとしても、収入ダウンがあるわけでもない。 40歳になった時、50歳になった時の収入。60歳で定年退職した時に退職金が、どのくらい貰えるかも予想ができる。 というわけで…。 景気の影響を受けない、そして10年後、20年後、30年後の支払いが確定している固定金利を選ぶのです。 実際には、固定金利と変動金利をミックスして借りる方がほとんどですけどね。 ミックスのことも説明しておきましょう。 2,000万円を借りた場合…。 変動金利 1.275% 35年 月々の支払いは ¥59,057円 固定金利 3.180% 35年 月々の支払いは ¥78,993円 でしたよね。 ミックスとは…。 変動金利と固定金利を組み合わせて借りること。 ミックスで2,000万円を借りた場合…。 (変動金利1,000万円、固定金利1,000万円) 変動金利 1.275% 35年 月々の支払いは ¥29,528円 固定金利 3.180% 35年 月々の支払いは ¥39,496円 合計 ¥69,024円 変動金利で借りている1,000万円の繰上げ返済を終えれば、残るのは固定金利で借りた1,000万円のみ。 月々¥39,496円をノンビリ返済していけばいいわけです。この1,000万円の返済額は景気の変動を受けないのですから。 【安全性50%】+【低金利時代の恩恵50%】という考え方。 景気の変動をモロに受ける私のような人間から見ると、本当に羨ましい借り方・返済プランです。 公務員さんが固定金利を選ぶのには合理的な理由がある、と言った意味がご理解頂けたでしょうか? 金利を選択する際の大きなヒントになると思います。 では、公務員さん以外…。 つまり民間企業に勤めている、または経営している人達はどうすればいいのでしょうか? これが大事ですね。 長くなりました。 続きはパート6へ、その前に…。 《念のための補足》 住宅金融公庫ゆとり返済の話。 固定金利だから安全なはずなのに、何故、多くの自己破産者を産み出したのか? 疑問に思った方もいるかもしれませんね。 住宅金融公庫ゆとり返済は、確かに、長期固定金利でした。 しかし、段階式に支払い額が、上がっていくように固定されていたのです。 10年後には、支払いがほとんど倍になったのは有名な話。 「これから景気が回復するから給料も上がるだろう」という楽観的予想を根拠として設計された住宅ローンでした。 その後、景気が悪くなったのですから、変動金利は下がったのです。 しかし、ゆとり返済は段階式に上がっていく長期固定金利です。 景気は悪くなったので収入は減る。 それなのに、段階式固定金利だから金利は安くならず、むしろ支払い額は増える。 それで破綻する人が増えました。 「こんなことになるんだったら変動金利にしておけば良かった…」 と嘆いた人も多いのです。 変動金利なら支払いが安くなりましたから。 住宅金融公庫から民間銀行への「借り換え」も流行りましたね。 いかがでしょうか? 「今は変動が得」、「これからは固定が得」などとは、我々、不動産業界の人間は軽はずみに口に出してはいけない、と私は考えています。 ましてや、売りたいがためにテキトーな予言をふりかざすなんてことは、もってのほかです。 では、パート6へ。 金利に対する私なりの結論を述べたいと思います。 金利編パート1へもどる。 金利編パート2へもどる。 金利編パート3へもどる。 金利編パート4へもどる。 | ||
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