其の参 仮契約と本契約
私の率直な印象です。
お客様の誤解で最も多いのは「契約」と「決済」の定義だと思います。
20%位の人が誤解しているような気がする。
どういう誤解が多いかというと、
「契約」 を 「仮契約」。
「決済」 を 「本契約」。
こう解釈している人がいます。
不動産業者の中にもそう説明する人がいるみたいですね。
勘ぐって考えれば、「仮契約」と呼ぶことによって、心理的負担を軽くし、契約させやすくする意図があるように思われます。
(仮)をつけると「やめられる」気がしませんか?
何となく、契約よりも軽いイメージがします。
仮契約と呼ぼうが、プチ契約と呼ぼうが、「契約書」にサインをし、印鑑を押せば契約成立です。
やめることはできません。
もし、一方的にやめようとすれば、「契約違反」になります。
恐らく、契約書には、「手付金放棄」とか「違約金は売買価格の10%」などという恐ろしげな言葉があるはずです。
念の為に説明しましょう。
不動産取引の流れを順番に書くと、
○ 「購入申込み」→「売買契約」→「決済」 です。
× 「購入申込み」→「仮契約」→「本契約」 では ありません。
お客様が理解しやすいように、営業マンがこういう言葉を使ったのだとしても、やっぱり不適切だと私は思います。
「契約」とは、分かりやすく言えば「約束」のこと。
どういう約束をしたかをお互い忘れないように作るのが「契約書」です。
この「約束」に(仮)みたいなモノをつければ、取引がスムーズになるどころか、ややこしくなるだけです。
仮約束って意味がありませんよね。
わざわざ文書にする必要なんかありません。
「仮契約」という言葉を使う不動産業者には気を付けた方がいいかも…、です。
最後に、定義の確認。
「契約」とは「約束」のこと。約束の内容を文書にしたのが契約書。
「決済」とは「残代金の支払いと物件の引渡し」のこと。
誤解のないように…。
|
copy-right(c)estate-magazine2016 |