専任の方が高く売れる?…1
「専属専任で依頼する方が高く売れる印象を受けた」
とある売主に言われた事があります。
「専属専任(あなた一社に任せます)だったら一生懸命に営業するから高く売れる、
一般(他社にも並行して依頼する)だったら少し手を抜くので高く売れない」
こう感じたそうです。
専属専任で依頼した方が高く売れる?
専属専任で依頼した方が早く売れる?
本当でしょうか?
15年前ならば、分からないこともないのです。
当時と今とでは情報の伝わり方が違いますので。
とにかく、昔はプロモーションにお金がかかった。
私が業界に入ったばかりの15年前…。
まだ見ぬお客様に情報を伝える方法は、チラシしかありませんでした。
他にはリクルートの週刊住宅情報くらい。
当時、コンピューターといってもワープロ(一太郎かワード)か表計算
(ロータスかエクセル)のみでグラフィックソフトなんて普及していなかった。
私が勤めていた会社には間取り作成ソフトさえなかった。
で、チラシを作るのにどんなことしてたか?
1. 方眼紙で間取り図を描く。
2. ワープロソフトで印刷した言葉をハサミでチョキチョキ切る。
3. 厚紙に図面と言葉をノリで貼り付ける。
4. それを輪転機で印刷する。
今となっては自分でも信じられないですが、1つの物件の広告を作るのに、これだけの手間がかかりました。
しかも、事務所にパソコンなんて1つしかありませんから、新人は先輩が終わるのも
待たないといけない。
夜中の3時までチラシを作成していた、なんて当たり前の時代でした。
しかも、物件は1つ!
1つですよ。
全部が手作業だからA4用紙に物件が1つしか載せられない。
たくさん載せちゃうと汚くなってしまって見にくいわけ。
しかも、売買物件は売れてしまえば終わりなのに、1つ作るのに時間がかかる。
そんなこともあり、紙1ページには物件は1つ、多くて2つ。
両面で片ページに1つずつ、というパターンが多かったんじゃないかな。
今、そんなことしてたらアホですね。
例えば、ウチの事務員さんに4つの物件資料を渡し、1時間後、事務所に戻れば
これくらいチラシはできてます。
使うのはパソコンのみ。
当時、こんなチラシが作れるのは広告代理店だけだったんじゃないかな?
ひょっとすると、大きな会社はもう少し進んでいたかもしれないけど、そんなには変わらないと思います。
この日記を書きながら思い出した当時の社長の言葉。
何で、他の業者が受けてきた物件を、ウチが金を使って広告せなアカンねん!!!
お前らアホか!
物件をあげて来い、物件を!
そしたらナンボでも広告したるから
1つの物件をまだ見ぬお客様に知ってもらうための、お金と手間が今とでは違ってたんです。
15年前ならば専属専任の方が高く売れたかもしれない、15年前ならば専属専任の方が早く売れたかもしれない、
という意味が伝わりましたでしょうか。
「何で他が受けてきた物件をウチが金使って広告せなアカンねん?」に全てが集約されていると思います。
では、今はどんな風に事情が変わったのでしょう?
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