専任の方が高く売れる?…3
熱意や情熱で不動産を高く売れるか?という話でした。
私は売れないと思います。
ホームページにも書きましたが、買主を言いくるめて(あるいは騙してでも)高く売ってくれ、と考えている売主様が、ごくまれにおられます。
一般的な相場だったら2500万円でしか売れない物件を、営業力のある会社だから2800万円で売る…。
そういうことを期待しているわけ。
買主を騙す相手、つまり、敵と捉えているんですね。
私はそういう自分勝手な方の依頼は受けません。
どうぞ、他の業者にご依頼下さい。
逆の立場になって考えれば分かりませんか?
「他の業社だったら2500万円が関の山でしょう。しかし、ウチだったら2800万円で売れます!」
こんな営業トークを売主にする不動産会社から、あなたは買いたいですか?
そして、現在の情報社会の中で、そんな自分勝手なことが可能だと思いますか?
インターネットの普及により、不動産を探す人の情報量はハンパじゃありません。
冷静に考えればオカシナ話だと分かるのに、自分に都合の良い話だと信じてしまう。
最近のお客様は、昔のお客様と違い情報をたくさん持っています。
たくさんの会社のホームページを見ているので、こちらが知っている情報は、相手も知っていると考えるべきです。
昔はチラシしか情報源がありませんでしたが、今では自分が探している地域の情報はすぐに調べることができますので。
A社だったら2500万円でしか売れないけど、ウチだったら2800万円で売れる…。
ハハハ(笑)
ウソつけ!(怒)
自分から買おうとしている人の前で同じことを言えるのか?
こういう話を聞くたび、不動産業界の汚さに反吐(へど)が出そうになります。
売主には「より高く売ります」と言ったあと、買主には何と言うつもりなのか…。
この際だから、ハッキリ言いましょう。
A社が2500円でしか売れない物件は、エスマガでも2500万円でしか売れません。
その代わり、多少は早く、リスクは少なく、そして売主様にとって快適に売る自信はあります。
専属専任で依頼すれば高く売ってくれる…。
こういう幻想は捨てた方が良いのではないでしょうか?
誰もがインターネットを使うこの情報化社会の中で、1つの会社が出した査定価格を信用して、その会社だけに任せるのは、
どう考えてもメリットよりもデメリットの方が大きいように思うのです。
現に、不動産を探す人はそういう探し方になってきていますね。
いくつかの不動産会社に声をかけて、不動産を探しながら、その中で自分にとって最もな優秀な営業マンを見つける。
不動産を探しながら、というのがポイントです。当たり前のことだと思う。
しかし、売却希望者はそういう売り方をしません。
相も変わらず一つの会社だけに相談し、その会社がよほど酷くない限り、その会社に任せてしまう。
私にはこの売り方が本当に不思議に思えるのです。
いくつかの不動産業者に声をかけて、不動産を売りながら、その中で自分にとって最も優秀な営業マンを見つける。
不動産を売りながら、というのがポイント。
どう考えたって、こちらの方が良い買主を見つけることができるでしょう。
当たり前のことだと私は思うのですが、まだ当たり前になっていません。
売り出す前に販売業者を1つに絞らないといけないなんて誰が決めたの?
チラシ時代の考え方をいつまで引きずるの?
自分たちのために作った仕組みを壊したくないから、不動産業者が消費者を騙しているんですね。
「ウチだけに任せて貰えれば普通に営業するよりもアナタにとって好都合です」と。
売主にとって好都合なのではなく、不動産業者にとって好都合なのです(笑)。
「専属専任」「専任」「一般」といった分類ができた当時ならば、多少なりとも意味があったかもしれませんが、もう既に時代は変わりました。
売主様も情報を比較せねばなりません。
「任せて安心」なんて言ってられる時代じゃないんですよ、本当に…。
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