阿倍野区の不動産なら売却も購入もエステート・マガジン

掘出し物

まずは結論から言いましょう。
一般の人に不動産の掘出し物がまわってくる可能性は
限りなく低いです。

何故か？
簡単に言うと、「掘出し物」は不動産業者が買ってしまうからです。

例えば、普通に売り出せば2000万円くらいの物件があり、その物件が売主の都合により、1500万円で手放しても良いという状態だったとしましょう。
完全に「掘出物」ですね。

不動産業者が、その話を聞きました。
どう反応すると思いますか？

�@自社にて1,500万円で買う
�A同業者に1,500万円で買ってもらう

のどちらか。
そして、改装した後に売るのです。

そんなのズルイ…。
と思う人もいると思いますが、まあ、仕方ないことなんですね。

それだけ安くなるということは、何か事情があるわけで、お金を急いでいるケースがほとんど。
汚れていて大掛かりな改装が必要な物件もある。
それに、物件をゆっくり見たりもできませんし、考える時間もあまりない。
また、ローン特約もつけられないことが多い。
簡単に言えば、リスクがあるから安いのです。

こういった条件で1,000万円単位の買物ができる人って不動産業者以外はいないでしょう？
一般の人で即決できる人は少ないと思います。

では、何故、不動産業者は買うのか？
諸費用（仲介手数料と登録免許税と不動産取得税）で100万円ほどかかります。
更に、改装で100万円ほどかかったとしましょう。
それでも、原価は1700万円です。

2000万円で売れたなら、300万円も粗利益が出ます。
仲介業者に売ってもらったとしても230万円ほどの利益。
まあ、実際には、金利なんかもかかるのですが…。

もし、普通にお客様に紹介すると、売主・買主の両方から頂いても、1500万円の仲介なら手数料は100万円ほどです。
全然、違うでしょう。

だから、不動産業者は「買取ます」というチラシをまくわけです。
見たことありますよね？

売主業は上手くいくと儲かるのです。
安く仕入れることさえできれば…。

というわけで、不動産業者が…。
「本当なら2000万円くらいでもおかしくないのですが…」などと言いながら、お客様に1500万円の物件資料を持ってきたら、その人はウソツキです。
どういった理由で安いのかを、ちゃんと聞いて下さい。
1700〜1800万円くらいだったら話は分かります。
買取っても利益が出ませんから…。

要するに、相場より1割ほど安いならありえますが、2割も安いとなると怪しい、ということです。
それに相場よりも1割も安ければ十分に掘出物だということになります。

こんな事を書くと、不動産業者って儲かるんだなあ…、と思う人がいるかもしれません。
ところが、そんなに安く買える物件なんてメッタにない。
売主さんは1円でも高く売りたいわけですから…。

また、買取った物件がなかなか売れなくて、損をすることだってあるのです。
売主業はリスクも高い。
いわゆる、ハイリスク・ハイリターン。
当たり前の話…。

くれぐれも甘い話には注意して下さい。